青南保育室 体験學[Ⅲ]

3月15日 南青山の青南保育室で
第3回目のWATCH+TOUCH
「対話の体験學」の機会を設けて頂きました

題して「こころのさいころ」
感情に偏らず
感性と理性を鍛えましょう という主題です


保育士の仕事は
通常の職場のように同僚・先輩・後輩との人間関係に加え
0歳児からの子ども そしてその父兄との関わり
と複雑な多重構造の中で行われます
その状況下では
子どもとの日々のやりとりや本の読み聞かせ
保護者との対話や連絡帳を書くこと
事務上の伝言や文書作成
会議での発言や報告書を書くこと
さまざまな言葉が行き交います


私はこの「こころのさいころ」を
自宅で開いている三歳からの日本語教室
「こども・ことば・ひろば」の教材として作りました
毎週一回 母親といっしょに
「こころのさいころ」を使って
「聴く・話す・伝える・書く」練習をしていたら
3年経った この4月 
入学を控えた6歳の子どもたちは
幼稚園での たのしいこと かなしいことなどを
筋道を立てて言葉で表現することができるようになりました


これなら学校での作文の基礎作りも大丈夫
発言も気後れせずにできるようになるでしょう
子どもたちの母親は異口同音に
「書いたり発表したりするのがとても苦手だったので
 こころのさいころで表現が少しずつできるようになって
 安心しています」と評価してくれました


人が作る世界で生きていく人間は
人とどうしたら気持ちよく関わって行かれるかどうかは
つまりは死活問題ほどの大きな事柄です
物事をただ好き・嫌い
損か得かの感情(感じる)だけで判断しないで
考えてみること それには言葉が必要です
人は言葉無しでは考えることはできないからです


第2回のワークショップで
互いに補う「対」の関係を学んだところなので
今回は「感じる」に偏らないように
「考える」ことを 改めて体験する内容にしました
















① 保育の場でたのしかったこと・うれしかったこと
② 好きな絵本を人に勧める
この二つの内容を「こころのさいころ」を使って
書いてもらいましたが 多くの先生方が四苦八苦
感覚的に ではなく
論理的に(筋道を通し 首尾一貫性を持たせる)書くことに
私たち日本人の多くは慣れていません
そのような教育を受けていないことは大きな理由の一つです


「こころのさいころ」という道具に慣れ親しむと
「伝わる」話し方・書き方が身につきます
また聴き方や読み方も深く 適確にできるようになります
とはいえ道具ですから その特長を上手に活かして
使いこなせるようになるまでには
どんな道具もそうであるように試行錯誤が必要です
しかし鋏を使えるようになるまでは時間が掛かっても
一度身につけば
一生 役立てることができるのです


今回のワークショップに参加して下さった先生方は
思いつくままに 書き出した園での体験談を
筋道を立てて書くことにかなり戸惑っていらっしゃいましたが
この「こころのさいころ」ワークショップは
内容を変え 違う角度からの展開で再度 と予定していますので
ぜひまた受けて頂きたいと思っています
それまで どうか
「こころのさいころ」を必要に応じて活かして
少しでも習慣となるよう 努めて下さいますように

 
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あなたの考えにこころを配りなさい 
      それが言葉になるのだから
あなたの言葉にこころを配りなさい 
      それが行動になるのだから
あなたの行動にこころを配りなさい 
      それが習慣になるのだから
あなたの習慣にこころを配りなさい 
      それが性格になるのだから
あなたの性格にこころを配りなさい 
      それが運命になるのだから

「ウパニシャッド」と呼ばれる紀元前の書物から


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春隣といえども この日も
北風の強い日でした
青南保育室の最寄り駅 表参道にでると
街路樹のケヤキの芽もまだ固い様子




















 

 

この日のワークショップには
早朝からの保育の後の午後7時からにもかかわらず
風邪を引いている先生 花粉症の先生
本来なら出勤日ではない方までもが
熱心に参加して下さいました
また柿の木坂の保育所「マミー」の伊藤邦子園長先生
青南保育室・マミーなど10カ所の事業所を経営されている
株式会社アソシエ・インターナショナルの和田惠理子社長にも
お忙しい中をお運び頂きました


当初からWATCH+TOUCHのワークショップを支えてくださっている
青南保育所の早瀬園長先生 また
保育IMAI塾を主催するエプロン姿も勇ましい今井先生





















落合さんを始め 事務方の皆様方にも心よりお礼を申し上げます

今回 残念ながらご参加頂けなかった方々にも
次回4月28日のワークショップでは
再びお目にかかれますように

よき機会をありがとうございました