黄金週間始まりの土曜日にも関わらず
授業にやってきてくれた高校一年生三人と
経堂の「悠愉学舎」で
「こころのさいころ」学習をしました
「こころのさいころ」は
「だれ・いつ・どこ・なに」の順に従って
まず状況説明を簡潔に明確に表し
続けてその時の思いを 話の受取手の五感に響くように
表現することで筋道を立てて話す・書く練習です
今回は秋田芳知(よしとも)君の話
主題 自転車と外国人
僕が①学校に行くとき 交差点で信号待ちをしていた時②
僕の自転車を見た外国人の女の子を見て思わずニヤついた。
なぜなら③ 彼女は僕の自転車を二度見し「So cute!!」って言った。
車の音に交じってかすかに、ちいさい声で④僕の耳に入ってきた。
僕は鼻から大きく深呼吸をして⑤「Thank you」とつぶやいた。
近くのインターナショナルスクールの子かもしれない。
見た目は普通の女の子で 特別かわいいという訳でもないし
多分日系の子なのか、もしかしたら日本人かもしれないけど
まさか外国人に言われると思わなかったので
ずっとドキドキしていました。
今でも彼女とすれ違うとドキドキします。⑥
① 書き出しの第一文「僕が・・・ニヤついた。」
「僕は・・・ニヤついてしまった」が 国語として座りがいい
「思わずニヤついてしまった」君を想像すると
こちらもニヤついてしまう
② 「いつ」の説明が重複しているので
交差点で信号待ちを「していたら」に
③ なぜなら で始まった文は「言ったからだ」というように
〜だから で終えよう
④ かすかに と 小さい 形容詞の二語
君にとっての意味の違いは何だろう
両方とも書く必要があったのかどうかを考えて
⑤ 「Thank you」を言うだけのことなのに
「鼻から大きく深呼吸をして」の部分は
君の小さな胸の大きなときめきと緊張を表していて
すてきです
⑥ それまでの文末は「だ・である」調なので最後まで
それを通し一貫性を持たせること
登校という日常のありふれた場面で起きた「ドキドキ」
その気持ちがよく表れている爽やかな話を書き
また話してくれてありがとう
ところで
女の子に「So cute!!」と言わせた君の自転車は
そもそも一体どんな自転車なのか
話を聞かせてもらった直後に 私はをれを知りたくて
君にその自転車に乗ってきているかどうかを訊きました
「外にあるよ」ということだったので
他の生徒と教室を出て見に行ってみると
それはそれは「so cute!」な自転車でした
が話の受け手に その自転車の描写は必要かどうか
それを描いた方が君の言わんとするドキドキが
より伝わるかどうかを考えたかな
女の子の描写に三行を費やしているところは
君の興味の対象をよく表しているけれど
自転車については「僕の自転車」の一言
受け手にもこの自転車の色や形を想像できるように
具体的に書けたらもっとよかったと思う
なぜなら本当にすてきな自転車だったから
君が自慢に思っていることが受け手によくわかってもらえるし
自慢の品を褒めてもらったこと
それも「外国人に!」褒めてもらったことに
君が嬉しかったことがよりよく伝わると思うからだ
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因みに
この記事を書くために
芳知に頼んで写真を撮って送ってもらいました
例の自転車がこれ
お洒落な芳知によく似合っています
生徒達の様々な経験を
彼らなりの表現を磨いて伝え合う時間が
とても楽しみです
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