青南保育室 体験學 [Ⅱ]

2012年2月
南青山の青南保育室で 昨年12月に続き
保育士のための対話のための体験學 II
を開きました
題して「いくいりぶりあむ」



「いくいりぶりあむ」は英語のEQUILIBLIUM 
「平衡」「落ち着き」を意味します
こころの平衡・平穏を保ちつつ
よりよい対話に基づいた人間関係を結ぶための
一つの提案としてのワークショップです


まず先生方のそれぞれのワークシートに
「反対語」を10ばかり書き出してもらいました


それから
「木」という漢字の象形文字を示しました
この文字には幹と根の両方が描かれています
天に向かう「幹」と地に向かう「根」
その両方があって「木」が存在します
どちらか一方では成立しません

















古代中国の思想に端を発する「陰陽」
森羅万象は陰と陽という互いに対立する二つの気でできていて
生成消滅はこの二気によって起こるとされる考えです
陽の気は上昇して「天」となり 
陰の気は下降して「地」を生みます


次に「向い干支」を紹介しました
向い干支は
自分の干支の反対側(向い)にある干支を大切にした
江戸時代の風習です
たとえば子(ねずみ)歳の人は午(うま)歳の人や 
それにまつわる物を日頃気にかけるようにします
なぜなら向い干支の人は
本来+と−のように正反対の性格を持っていて 
だからこそ引き合う
そして互いに互いを補い大切にすることで
それぞれが平衡の取れた人になることができるという考えです
「向い干支」はその意味から「守り干支」とも呼ばれました























改めて最初に書き出してもらった「反対語」を見てもらいました
「反対語」と思っていた言葉は
天と地  山と海  明と暗  月と日  凸と凹・・・
元々は一つで一つの「対(つい)語」
対立した関係ではなく 
不足を補い合う 縁の深い好ましい関係と見えるようになりました


その視座を持って一般的には負と見なされる性格を
書き連ねた表を見てもらいました
そして負を「陰陽」や「向い干支」の視座から
正として観る練習をしました
「頑固な」=「意志の強い」
「臆病な」=「慎重な」
「けちな」=「倹約を知っている」・・・
一瞬で見方を変えるのが難しい負もありますが
負を負として観るだけでは
自分が出した負の気分に自分が負けてしまいます
正と負の平衡感覚を健やかに活かすことが
人間関係における対話には肝要です


最後に
さまざまな対語を
用意していった押し葉と色鉛筆で表現してもらいました













































違いを単なる違いとして切り捨てず 
よき機会に恵まれたと捉え直す平衡感覚は
双方の「対話」に 
ひいては生き方によりよき実りをもたらす一粒の種です























ワークショップに参加・不参加に関わりなく
ブログは皆様に見て頂ければ と願います
参加された方々には 復習のため
参加できなかった方々には 予習のため
また今後「保育IMAI塾」の活動を広く知って頂くためにも
ぜひご活用下さい
 

先にブログ上で記事を読んで
ワークショップの内容を頭で「知る」ことはできても
実際に自分で体験して「わかる」こと
そして何より対話をしながら
その時間・空間を分かち合う愉しさを「感じる」ことは
ワークショップ(体験学習)のいのちです